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「メタボ健診」といえば、高齢者医療確保法~?





高齢者医療確保法。

聞いたことがあるひとはどれくらいいるだろうか?

それにしても、なんてわかりやすい法律名だ。

高齢者の医療費を確保するための法律?

 

 

 

  

法律の条文に「メタボ健診」という言葉はない


「メタボ健診」は法律用語ではない。造語だ。

正式には、「特定健康診査」という。労働安全衛生法の「健康診断」とは違って、「高齢者医療確保法」のために出来た制度だ。

 

 

高齢者医療確保法は、医療保険者に対して、40歳から74歳までの加入者を対象に、診結果に基づいて行う「特定保健指導」を実施することを求めている。

以下、抜粋。

第一条 この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もつて国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする。

(特定健康診査)
第二十条 保険者は、特定健康診査等実施計画に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、四十歳以上の加入者に対し、特定健康診査を行うものとする。ただし、加入者が特定健康診査に相当する診査を受け、厚生労働省令で定めるところによりその結果の記録の写しの提供を受けたとき、又は第二十六条第二項の規定により特定健康診査に関する記録の送付を受けたときは、この限りでない。
(他の法令に基づく健康診断との関係)
第二十一条 保険者は、加入者が、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に基づき行われる特定健康診査に相当する健康診断を受けた場合又は受けることができる場合は、厚生労働省令で定めるところにより、前条の特定健康診査の全部又は一部を行つたものとする。
2 労働安全衛生法第二条第三号に規定する事業者その他の法令に基づき特定健康診査に相当する健康診断を実施する責務を有する者(以下「事業者等」という。)は、当該健康診断の実施を保険者に対し委託することができる。この場合において、委託をしようとする事業者等は、その健康診断の実施に必要な費用を保険者に支払わなければならない。

 

メタボ健診と、定期健康診断、似ているが違う。違うが、似ている。

まず、いわゆる「メタボ健診」はコレだ。

特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準


高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準を次のように定める。

(特定健康診査の項目)
第一条 保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号。以下「法」という。)第十九条第一項に規定する保険者をいう。以下同じ。)は、法第二十条の規定により、毎年度、当該年度の四月一日における加入者であって、当該年度において四十歳以上七十五歳以下の年齢に達するもの(七十五歳未満の者に限り、妊産婦その他の厚生労働大臣が定める者を除く。)に対し、特定健康診査等実施計画(法第十九条第一項に規定する特定健康診査等実施計画をいう。以下同じ。)に基づき、次の項目について、特定健康診査(法第十八条第一項に規定する特定健康診査をいう。以下同じ。)を行うものとする。
一 既往歴の調査(服薬歴及び喫煙習慣の状況に係る調査を含む。)
二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
三 身長、体重及び腹囲の検査
四 BMI(次の算式により算出した値をいう。以下同じ。)の測定
BMI=体重(kg)÷身長(m)2
五 血圧の測定
六 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びガンマグルタミルトランスフェラーゼ(γ―GT)の検査(以下「肝機能検査」という。)
七 血清トリグリセライド(中性脂肪)、高比重リポ蛋たん白コレステロール(HDLコレステロール)及び低比重リポ蛋たん白コレステロール(LDLコレステロール)の量の検査(以下「血中脂質検査」という。)
八 血糖検査
九 尿中の糖及び蛋たん白の有無の検査(以下「尿検査」という。)
十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める項目について厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が必要と認めるときに行うもの
2 前項第三号に掲げる項目のうち、腹囲の検査については、厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。
3 保険者は、第一項第三号の規定による腹囲の検査に代えて、内臓脂肪(腹腔くう内の腸間膜、大網等に存在する脂肪細胞内に貯蔵された脂肪をいう。以下同じ。)の面積の測定を行うことができる。この場合において、当該保険者は、同号の規定による腹囲の検査を行ったものとみなす。
4 保険者は、血清トリグリセライド(中性脂肪)が一デシリットル当たり四百ミリグラム以上である場合又は食後に採血する場合には、第一項第七号の規定による低比重リポ蛋たん白コレステロール(LDLコレステロール)の量の検査に代えて、総コレステロールから高比重リポ蛋たん白コレステロール(HDLコレステロール)を除いたもの(Non―HDLコレステロール)の量の検査を行うことができる。この場合において、当該保険者は、同号の規定による低比重リポ蛋たん白コレステロール(LDLコレステロール)の量の検査を行ったものとみなす。
5 医師は、第一項第十号の規定による項目を実施する場合には、当該項目の対象となる者に対し当該項目を実施する前にその理由を明らかにするとともに、保険者に対し当該項目を実施した後にその理由を明らかにしなければならない。
(平二〇厚労令一五九・平二九厚労令八八・令三厚労令一八一・令五厚労令五二・一部改正)
(他の法令に基づく健康診断との関係)

第二条 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に基づき特定健康診査を実施した年度と同年度において加入者が次の項目について健康診断を受けた場合であって、当該事実を保険者が確認した場合には、法第二十一条第一項の規定により、当該保険者は当該加入者に対し特定健康診査の全部又は一部を行ったものとみなす。
一 既往歴の調査(服薬歴及び喫煙習慣の状況に係る調査を含む。)
二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
三 身長、体重及び腹囲の検査
四 血圧の測定
五 血色素量及び赤血球数の検査
六 肝機能検査
七 血中脂質検査
八 血糖検査
九 尿検査
十 心電図検査
十一 血清クレアチニン検査
(平二九厚労令八八・一部改正)
(特定健康診査に関する結果等の通知)
第三条 保険者は、法第二十三条の規定により、特定健康診査を受けた加入者に対し、特定健康診査に関する結果を通知するに当たっては、当該特定健康診査に関する結果に加えて、当該加入者が自らの健康状態を自覚し、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深めるために必要な情報を提供しなければならない。
2 保険者は、前項の通知及び同項の情報の提供に関する事務を、特定健康診査を実施した機関に委託することができる。

(特定保健指導の対象者)
第四条 法第十八条第一項に規定する特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある者は、特定健康診査の結果、腹囲が八十五センチメートル以上である男性若しくは腹囲が九十センチメートル以上である女性又は腹囲が八十五センチメートル未満である男性若しくは腹囲が九十センチメートル未満である女性であってBMIが二十五以上の者のうち、次の各号のいずれかに該当するもの(高血圧症、脂質異常症又は糖尿病の治療に係る薬剤を服用している者を除く。)とする。
一 血圧の測定の結果が厚生労働大臣が定める基準に該当する者
二 血清トリグリセライド(中性脂肪)又は高比重リポ蛋たん白コレステロール(HDLコレステロール)の量が厚生労働大臣が定める基準に該当する者
三 血糖検査の結果が厚生労働大臣が定める基準に該当する者

2 第一条第三項の規定により、腹囲の検査に代えて内臓脂肪の面積の測定を行う場合には、前項中「腹囲が八十五センチメートル以上である男性若しくは腹囲が九十センチメートル以上である女性又は腹囲が八十五センチメートル未満である男性若しくは腹囲が九十センチメートル未満である女性であってBMIが二十五以上の者」とあるのは、「内臓脂肪の面積が百平方センチメートル以上の者又は内臓脂肪の面積が百平方センチメートル未満の者であってBMIが二十五以上のもの」とする。

 

メタボ健診という用語は、やはりないい。

が、上記、法令上、(特定保健指導の対象者) として「内臓脂肪」や「腹囲」などの幅は決められている!
う~ん、これをみると確かに「メタボ健診」だ。

一方、労働安全衛生法の健康診断項目は、こうだ。
具体的に言うと、39才以下のはたらくひとたちの健康診断は、こうだ。

労働安全衛生規則
第四十四条 事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
一 既往歴及び業務歴の調査
二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
三 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
四 胸部エックス線検査及び喀痰かくたん検査
五 血圧の測定
六 貧血検査
七 肝機能検査
八 血中脂質検査
九 血糖検査
十 尿検査
十一 心電図検査

なぜ「高齢者」と名がつく法律が、現役世代の腹囲を測るのか?

一見すると、法律名と対象年齢が噛み合わない。だが、そこ実は意味があるのだ。

高齢期に増えやすい糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心疾患、脳血管疾患。その発症・重症化を、40代、50代、60代の段階から抑える!!

そゆことか!

そういうことだ。

将来の健康を守ることと、将来の医療費の伸びを抑えることを、同じ政策線上に置いたのである。

高齢者医療を守るために、中年に介入する。

それが、この法律の発想である。